推進本部についてPlatform
ご挨拶
山形大学は、2009年に科学技術振興機構(JST)から「地域卓越研究者戦略的結集プログラム」の採択を受けました。それ以来、基礎(非競争領域)から応用開発・量産技術開発・試作実証(競争領域)、そして事業化に至るまでの研究開発を実践する拠点を積極的に整備してきました。特に、本学の強みである有機材料研究を中心に、有機EL・有機トランジスタ・有機材料システム・印刷エレクトロニクス、さらに最近ではインクジェット・3Dプリンティング等の研究分野で、途切れることなく先進的な研究開発プロジェクトを立ち上げてきました。このような流れの中で、本学では2018年に「オープンイノベーション推進本部」を設置し、企業の事業戦略に深く関わる競争領域に重点を置いた大型の産学連携を推進しています。また、「平成30年度オープンイノベーション機構の整備事業支援対象大学」の指定を受けています。
この「オープンイノベーション推進本部」では、目標と課題を企業と共有し、「組織的な共同研究の創出・管理」を合言葉に、共創の場の構築を進めています。本学には、各種新素材開発や有機材料システム分野のデバイス開発に関わる研究開発環境が整備されています。現在は、多くの企業と連携した大型の共同研究に取り組み、非競争領域の研究から社会実装を見据えた競争領域の研究に至る段階で多くの成果を生み出しています。また、本学教員が個々に進めてきた基礎研究の段階にある多くの魅力的な研究シーズに対しても、組織的・戦略的に研究開発プロジェクトを展開し始めています。選択と集中を重ね、事業化にスピード感をもって取り組んでいます。
2019年後半から猛威を振るい始めた新型コロナウィルスの流行は、私達の社会生活に大きな変化をもたらしつつあります。身近な生活習慣から、世界的な人と物の流通に至るまで、その変化は多様にそして急速に広がり始めています。私達が真に求めている社会や技術の在り方について、SDGsの活動とも連動させ、謙虚に観察・思考していくことが大切です。
どの様な社会にあっても、私達の生活を安全で快適なものに改善し、持続的に支えて行く技術の創出が求められます。今後とも、オープンイノベーション推進本部を核として、社会に役立つ技術の創出を実践する山形大学の活動にご注目頂き、そして積極的にご参加いただければ幸いです。
- 山形大学 理事・副学長
オープンイノベーション推進本部長 - 飯塚 博